こんにちは!農作物筋トレブロガーのしきです!
ちょっと挑発的・刺激的なタイトルになっちゃいました🙏
自分で書いておいてビビってます(笑)
とても長い記事なので、結論だけ見たい方は、目次の
”筋肉は脂肪に変わるのか!?まとめ”
へ、飛んでください👍️
「呼んで理解してみたい!」というあなたは
どうぞごゆっくり~😉
永遠?の噂話
あなたも必ず一度は聴いたことがあるでしょう
ある人は家庭で、ある人はテレビで・・・
「たまごは一日に1ッコまで」
「カルシウムをたくさん摂らないと、骨がもろくなる」
私たちは子どもの頃から、このような噂を耳にしてきました
噂とは言え、今思えばこれも、立派な健康情報だったと思います。
私の記事を読んでくださっているあなたは
とても健康リテラシーが高めの方だとお察しします。
なにか一つの健康情報が巷で流行しても、鵜呑みにせず
ホントなのかな??
と、一歩引いて、まず疑問に思ったりすることもあるんじゃあないでしょうか?
情報を一歩引いて、自分で考え精査するようになると、
その流行の根っこにあるものが見えてくるようになります。
それに
もうすでに、「カルシウムって、骨をもろくすることがあるの!?」と
頭の片隅で気になってるんじゃあないですか?😁
そんなあなたは、ぜひ
「カルシウムパラドックス」
で検索してみてください🔍️
今回の記事では、まことしやかに囁かれているある疑問について
- 一般的な答え
- 最近わかってきた新事実
の両方をお届けしたいと思います!
それじゃあ行ってみましょう!
この記事のキーワード
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サテライト細胞 異所性脂肪 筋繊維間脂肪 間葉系間質細胞 PDGFRa陽性
時代遅れ発言 「筋肉は脂肪になりません!」
ある日の会話・・・
・・・どんなご質問ですか??
学生時代はバスケしてたし、学校までチャリで行ってたから、脚とかおしりとかパンパンだったのに・・・やっぱり筋肉って脂肪にっちゃうんだよね?
サッカー部で引き締まってたけど、就職して働き出したら、筋肉が脂肪になっちゃったんだよ・・・この脂肪を筋肉に変えてほしいんだよ!
はい、どうでしょうか。
よく聴きますよね?
これはトレーニングを始める方の常套句ですね😊
とーってもよく分かります!
そして・・・
だって筋肉って、鍛えないと脂肪になっちゃうんでしょー??
という質問、世の中にあふれる疑問
この問いに対して私は、こう言ってました。
脂肪と筋肉は組成・組織がまったくの別物なので、筋肉が脂肪に変化するってことはないんですよ!
ほとんどのトレーナー、識者が同じ回答をすると思います。
そうです
筋肉は脂肪に変わりません!
え・・・?そしたらお前・・・ブログのタイトルおかしくない?【筋肉は脂肪に変わる】って書いてあるじゃん
って思いますよね💦
上のおふたりの様に
学生時代と比べて・・・とか
社会人になって・・・とか
こういった状況アリキで、筋肉が脂肪になっちゃった😭
という発言や質問は
あくまでも「感覚的に筋肉が脂肪になっちゃった」ですよね。
「筋肉の細胞が脂肪に変化しちゃった」というのとは違いますし、それはあり得ないんです。
ですからこの場合は
「筋肉が減ってしまって、脂肪が増えてしまった。だから筋肉と脂肪の割合が変わった」
これが正しいです。
絵にすると、こういうことですね!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
模式図なので、腕のどこだ?とか、脚か?ということは気にしないでください。
体の一部位を表現したに過ぎませんが
一目瞭然かと思いますが
左の円の中には、ぎっしりと筋肉が詰まっています。
対して右の円の筋肉は減ってしまって、脂肪が多くなっています。
円の外周は同じなので、外からの感覚では
「筋肉が脂肪になってしまった」という言葉として出くてくるわけですね!
もっと細かい話をする事もできる
今回の記事では、ちょっと省こうと思いますが
そもそも筋肉と脂肪では、元となる物質が違います。
肩ロースはバターにならないっていうのと同じ様なものです。
そもそもが違うということを覚えていただくと、よろしいかと思います😊
そして!
一般的な説明は、ここまででOKです!
今日はここから深堀りしていきます!
その内容はなんと!!
筋肉は脂肪に変わるという事実です!!😨
えー💦今までの説明はなんだったのー!?
というお気持ち
わがります✋️
でも、最近の研究で、これがどうやら起こるらしいということが分かって来たみたいです。
論文を引用し、噛み砕きながら説明していきます!
まさか!?筋肉が脂肪に変わるの!?
前述のように、一般的な会話や説明としては
- 筋肉は脂肪に変わることはない!
- 筋肉が減ってしまって、脂肪が増えてしまった
- だから筋肉と脂肪の割合が変わった
これで十分です👍️
しかし、もっと深堀りした話になったとき
言うなれば、生理学的な話になったときには・・・
説明していきましょう。
細かい内容はいらない!という方は
最後のだけ”筋肉は脂肪に変わるのか!?まとめ”へGO!
サテライト(筋衛星)細胞
1️⃣サテライト細胞とは
あなたはサテライト細胞というのをご存知でしょうか?
筋肉の再生や維持のためにはたらく骨格筋にゃん細胞だにゃ!
にゃん細胞じゃなくて「幹細胞」ね・・・
そう、”幹細胞”です。
幹細胞というのは、色んな細胞に変化する、大元の細胞です。
- 組織幹細胞・・・特定の細胞に分化できる能力を持つ幹細胞。
造血幹細胞や骨髄幹細胞など - 多能性幹細胞・・・多くの細胞に分化できる能力を持つ幹細胞。
胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)など
サテライト細胞は、組織幹細胞の一つです。
このサテライト細胞は、衛星のように筋肉細胞の直ぐ側にあることから、
サテライト(筋衛星)細胞と呼ばれています。
サテライト(筋衛星)細胞はこんな細胞
- 骨格筋の組織を再生する幹細胞で、筋線維の細胞膜と基底膜の間で存在している
- 筋線維は細胞分裂をしないため、衛星細胞の働きによって骨格筋の組織が再生される
- 衛星細胞は、通常は静止状態で存在しているが、筋肉が損傷すると活性化して増殖し、傷口を埋めるように融合して筋細胞を修復する。
- 衛星細胞の働きは、筋肉の発達や損傷した筋肉の再生に中心的な役割を果たしています。
このようなことから、
おそらく世の中のトレーナーやトレーニーたちは、
サテライト細胞ことが大好きなはずです!
簡単な図で見ると、こんな感じです
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
トレーニングをして、筋肉が修復され、太く、強くなっていくのは
このサテライト細胞のおかげなんです💪✨️
いつもありがとう!サテライト細胞!
2️⃣サテライト細胞は別の細胞に分化する??
さて、このありがたーいサテライト細胞ですが
実は筋肉の再生に関わるだけではなく
筋細胞以外の細胞へ分化する能力もあるかもよん
という報告があります。
参考になる論文を引用してみましょう。
一方で筋衛星細胞が筋細胞以外の細胞へ分化する能力も有するという報告もある.培養条件によっては,
筋衛星細胞が脂肪細胞や骨芽細胞様細胞へと分化することが示されている.老年医学の展望 骨格筋内脂肪の形成に寄与する間葉系前駆細胞の同定 上住 聡芳 土田 邦博 より引用
この文章の”筋衛星細胞”というのが、サテライト細胞のことですね。
これが、培養の条件によっては、
”脂肪細胞” になったり ”骨芽細胞様細胞” に分化する、ということのようです!
骨芽細胞というのは、あなたも聴いたことがあるんじゃあないでしょうか?
骨を形成(代謝)するうえで、欠かせない細胞ですね。
このバランスによって、骨が強くなったり弱くなったりするわけです。
筋肉になるためのサテライト細胞が、この様な骨にかかわる細胞の様な細胞に変わるというのは
とても興味深いですね・・・
でも、「培養条件によっては」と書いてあるにゃ
確かにそうなんです・・・
本当のところは一体どうなんでしょうか!?
サテライト細胞の”脂肪化”はあり得るのか?
みんな大好きサテライト細胞ですが
別の細胞に分化し、それが脂肪化であるという培養結果・・・
でも「培養条件によっては」という言葉が出てきて混乱しています💦
本当のところはどうなんでしょうか!?
論文ではこのようにも記されています。
しかし,筋衛星細胞の脂肪分化はin vitroでしか示されておらず,in vitroの脂肪分化に関しては,培養中に起こる形質転換や筋衛星細胞以外の細胞のコンタミネーションの可能性も否定できない.
[中略]
このことは筋衛星細胞が成体の筋再生に必須であることを示す一方で,筋衛星細胞以外の細胞が筋線維間脂肪細胞の形成に関与することを強く示唆している.
骨格筋内脂肪の形成に寄与する間葉系前駆細胞の同定 上住 聡芳 土田 邦博 より引用
かなり難しい文章で、読解が困難ですが、こう言っています
とても大事なところなので、囲っておきましょう!!
- サテライト細胞が脂肪になるのは、人工的な培養器などの環境下でしか示されていません
- 人工的な培養環境下では、他の細胞や微生物学的な影響を受ける可能性もある
- サテライト細胞は筋肉の再生に必須
- サテライト細胞以外の細胞が、筋肉組織内に脂肪が出来ることに関わっている
って言うことは、サテライト細胞じゃない、それ以外の細胞が脂肪になるってことなんだね!?
どうやらそうみたいにゃ!一旦の結論を出してみようにゃ!
3️⃣〈結果〉サテライト細胞は脂肪にはならない!
途中
「サテライト細胞が色んな細胞に分化する報告がある」という説明を挟みましたが
最終的には
ということが、明らかになったようです!
以下、引用します!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
一方,筋衛星細胞が脂肪化,線維化,骨化に寄与することはなく,筋衛星細胞はあくまで骨格筋系譜の幹細胞として機能することが確認された.
間葉系間質細胞による骨格筋組織の健全性維持機構 上住 聡芳 公益社団法人日本生化学会WEBSITE より引用
ということで、サテライト細胞が脂肪になるんじゃないか疑惑は晴れました😊✨️
やっぱりサテライト細胞は、「筋肉組織の忠実なる親衛隊」と言えるでしょう!
ふう・・・サテライト細胞の疑いは晴れたようだね
でもそうにゃると、他に脂肪になる物がいるということだにゃ
そうだね!いったいにゃに者なんだ!?って、うつったってばよ💦
本来できない場所でできる脂肪 「異所性脂肪」
体脂肪(body fat)というのは本来
皮ふの下にある「皮下脂肪」
お腹の中の、内臓の周りにある「内臓脂肪」
という2種類に大きく分けられるのですが
実は体の中で、この2つ以外の場所で出来てしまう脂肪があるんです・・・それが
異所性脂肪です
体脂肪について理解するにはこちらの記事ですね
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
2️⃣異所性脂肪
またここで、論文の引用してみましょう。
筋衛星細胞が分化異常を起こし脂肪細胞や骨細胞へ分化してしまう説が提唱されていた.しかし我々は,骨格筋の間質に筋衛星細胞とは異なり,platelet-derived growth factor receptor α(PDGFRα)を特異的に発現する細胞を発見し,本細胞が筋の脂肪化,線維化の起源となっていることを明らかにした.また,その後の研究によって,PDGFRα(+)細胞が筋の骨化の起源にもなることが示された.
間葉系間質細胞による骨格筋組織の健全性維持機構 上住 聡芳 公益社団法人日本生化学会WEBSITE より引用
とあります。
これはどういうことかと言うと
筋繊維間脂肪細胞(筋肉の中にできる脂肪)は
- 筋肉の間質(細胞と細胞の間)にサテライト細胞とは違う細胞がある
- この細胞は”PDGFRα”を特異的に発言する細胞
- この細胞が脂肪になったり、線維化したりする、また骨化する(異所性骨化)
ーPDGFRαー
血小板由来増殖因子受容体α(platelet-derived growth factor receptor α)
こんなの覚えなくていいよね♪
全く問題ありません(笑)
3️⃣PDGFRα陽性 と 間葉系間質細胞
もう一つ、論文から引用です
PDGFRα(+)細胞は「間葉系間質細胞」と呼ぶのが最も正確で理性的と思われ,本稿ではこの呼び名で統一する.
間葉系間質細胞による骨格筋組織の健全性維持機構 上住 聡芳 公益社団法人日本生化学会WEBSITE より引用
やっと本命が登場しました!!😂
この、「間葉系間質細胞」と呼ばれる細胞が、脂肪化するということです。
1回まとめましょう!!
筋組織内で脂肪化する細胞
- 筋肉組織の間質に存在する細胞が、PDGFRα陽性という特異的な状態になる
- その細胞を、「間葉系間質細胞」と呼ぶ
- 間葉系間質細胞が線維化や骨化、そして脂肪化(異所性脂肪)の起源となることが分かった
ということは、この間葉系間質細胞っていうのが、脂肪になるっていうことなの?
そういうことのようですね
筋肉の脂肪化の正体は 「間葉系間質細胞」
やっと正体がわかったにゃ
長くなってすみません!結論だけでも良かったけど、エビデンスも必要ですよね💦
長い長い説明になりましたが
という事が分かりました。
食用のお肉で言う、脂身の「サシ」いわゆる「霜降り」がまさにそういうことなのでしょう。
食べる分には良いんですが、身体の中にあると思うと・・・ちょっとねえ😅
また、先程の
「筋肉が減ってしまって、脂肪が増えてしまった。だから筋肉と脂肪の割合が変わった」
の模式図を使ってみると、こうなります
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
これはイメージですが、実際にこの様な現象が起こるわけですね。そうなると当然
という健康リスクが発生してくるというわけです。
筋肉は脂肪に変わるのか!?まとめ
ちょっとワタシには難しいから、Qちゃん、まとめてくれる?
にゃい!
「筋肉と脂肪は入れ替わる!?」一般的な解釈
- 筋肉と脂肪は、作りそのものが違うから、入れ替わることはない
- 筋肉と脂肪は、構成する材料(物質)そのものが違うから、入れ替わることはない
- 運動習慣がなくなって、筋肉が減って、脂肪が増えた状態が、「入れ替わった」ように感じる
- 「筋肉が減ってしまって、脂肪が増えてしまった。だから筋肉と脂肪の割合が変わった」が正しい
サテライト細胞についてまとめ
- 筋肉細胞の傍で、衛星のように静かに時を待っている「筋衛星細胞」
- 筋繊維が傷つくと、活性化して増殖・分化して、筋繊維を修復する
- その時が来るまでまた待っている
- 人工的な培養条件下では、別の細胞に分化する
- 生きた体の中では、筋肉にコミットした筋肉専門の細胞である!
筋肉が脂肪に変わるという真実
- 筋肉組織の間質に、サテライト細胞とは別の細胞がある
- この細胞が「PDGFRα陽性」という特異的な状態になる
- するとこの細胞が脂肪化、線維化、骨化の起源になる
- この細胞を「間葉系間質細胞」とよぶ
おわりに
という事で、いかがでしたでしょうか!?
なげーわ!!!💢
ですよね💦
すみません💦
本当に、結論だけ書いても良かったんですが
今回の記事は、トレーナーやコメディカルに関わる識者の皆さんからも
かなり厳しいお言葉もいただくと思いますし、反論もあるかと承知しています。
ただ、研究論文を見るに
間葉系前駆細胞を発見し、本細胞が筋の脂肪化や線維化の起源になる
と言った文言もあるように
この異所性脂肪が単なる、「別の場所にできちゃった脂肪」ではなく
「筋組織の構成要素である細胞が脂肪化する」ということであると考えられますので
エビデンスをもって、記事にしたかった!
というのが正直なところです!!
とっても考察のし甲斐がある事象だと思います!
現代社会の問題である高齢化の中で叫ばれる「サルコペニア」,「フレイル」などとの関わりについても
この筋組織の脂肪化も絡めて研究が進んだり、解明したりしていくことと思います。
そうなったら、もう常識が変わってきそうな予感もしてきませんか??
私もまた、その辺り記事にしてみたいと思いますので
長くなりそうだけど
ぜひまたいらしてくださいね😂😂
ということで
今日もお読みいただき
ありがとーございましたー!!
それじゃ
行ってらっしゃい!(^^)/✨️
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